見た目ギャルの杏奈。金色の髪にエクステをつけていて、何時も朝、巻いている。
性格もギャルだった。杏奈はまだ高校2年生。
勉強は全くしていない。成績も下から数えたほうがはやい。
同じ学年のギャル仲間とギャル雑誌の読者モデルに憧れていた。
毎日、メイクの練習。ギャルブランドの服や小物を集めていた。
高校生のくせに、私服だと大人ひるので煙草も吸っていた。
ある日、憧れだったギャル雑誌に投稿してみた。
あえなく落選。くやしくてもっと自分に磨きをかけた。
2回目も落選。3回目。だめもとでとっておきの服とメイクで投稿した。
みごと合格。3度目の正直とはこのことにあるのだと杏奈は思った。
杏奈は来年に控えた大学のことはすっかり忘れ、雑誌に載れたことや、これからギャルとして、ギャルの最先端にいなければいけないと思うようになっていた。
高校生が読むような雑誌に頻繁に載る様になっていた。
高校3年になり、大学受験を考えるようになっていた。
なぜかというと、いい大学のほうが、この先雑誌でも好評になると思った。
しかし、ギャル雑誌に載る様になってから、勉強も全くといっていいほどしなくなった。
ギャルの手本となるために撮影など、メイクの仕方、エクステの巻き方、服のコーディネイト。
やることがいっぱいだった。
しかし、「ギャルが大学に行く」という、特集を組みたいという、編集者からの依頼があった。
そのため、杏奈は大学受験をする事にした。
目標は文教大学。
かなり無理があるが、家庭教師をつけて、勉強を始めた。
しかし、雑誌の撮影や、ギャル友と遊んでばかりいたので勉強は疎かだったし、表面上のものだった。
高校3年の秋。文教大学の合格率は35%だった。
「勉強しなくてはいけない。ギャルの見本にならなければいけない。」と思うようになってきた。
冬。センター試験が近づいてきた。
最後の追い込みに入るが、「ギャルが大学受験をする」という特集がまたも組まれ、撮影の依頼が入る。
これでさらに勉強しないわけにはいかなくなった。
センター試験当日。今まで全くといっていいほど、家庭教師をつけても、撮影のとき以外の時、表面上の勉強しかしていなかっただけなので、点数は最悪。
文教大学試験当日。全く問題が解けなかった。
見事に落ちた。
後期で、産能大学を受けた。産能大学は合格した。
雑誌で、大学合格の特集が組まれた。
その月の表紙を飾った。
同じギャル友は美容系の専門学校や就職が決まっていた。
高校の卒業式。仲間と別れをした。
「また逢おうね」と約束して。
大学生活でも杏奈は新しくギャル友を作った。
雑誌に載っていたせいか、ギャルたちは杏奈の事を知っていた。
身近な有名人と思われるようになっていた。
そんな時、大手ギャル雑誌社「小悪魔アゲハ」のスカウトにあった。
「アゲハ」は数あるギャル雑誌の中でもかなりの大手で有名だった。
ギャルなら誰でもが憧れる雑誌だった。
杏奈は、アゲハに移る事に決めた。
大学に入り、彼氏もできた。
大学生活、雑誌の撮影、彼氏とのデート。毎日がめまぐるしく忙しかった。
その分、杏奈の人気は上昇。
彼氏の部屋に入り浸るようになった。
杏奈の大学生活、彼氏との生活が特集が組まれた。
彼氏も杏奈ガ人気モデルということで、周りに自慢していた。
大学生活は雑誌か、彼氏と居るしかなかったので、3年目に浪人した。
親からはモデルを辞めろと言われたが、辞めたくないという固い意思で親元から離れる事を決めた。
大学だけは必ず行く事を条件に、一人暮らしを始めた。
そこで、今度は彼氏が杏奈の部屋に居る事が多くなった。
4年になり、進路が不安になってきた。
自分で、ギャル系の店を出したいと決めた。
プロデューサーになるのだ。