「花恋さん、ご一緒1名様!!」
花恋。25歳のキャバクラ嬢。
花恋の働いているキャバクラ「フリージア」
ここは花恋がオーナーもしている。
花恋はフリージアのNO、1だ。
今日はフリージアの年に1度のコスプレディ。
「着替えてくるね」
客の井上にそう言い、花恋は長い金髪をお団子にしてセーラームーンになった。
「お待たせ♪」
「花恋ちゃん、かわいいよ!!あとで一緒に写真撮ろうね」
井上は1件目で結構な量の酒を飲み、既に出来上がっていた。
井上は店で一番金を落とす太客、花恋のエースだった。
職業はプロダクションの会長。
いくら飲んでも、叫んだり、暴れたりしなく、綺麗に飲んでくれる質の良い上客だった。
「花恋さん。あと5卓テーブルあるから宜しくお願いします!」
マネージャーの沢田に言われた。
「OKー!」
花恋はNo、1。忙しいのにはもう慣れている。
No、1を半年キープしている。
半年間、No、2に倍のポイントをつけている。
しかし、花恋に転機が訪れた。
花恋は現役を引退した。
「オーナー」というプレッシャーで常にNo.1にいた。
しかしNo.2のレイに2ポイント差でぬかされてしまった。
半年間はNo,1だったが、フリージアがオープンして1年。
レイがNo、1になった。
花恋はオーナー業に専念する事にした。
そして、レイを不動のNo、1に育てあげた。
自分の客をNo候補のキャストに引継ぎをした。
中には「花恋ちゃんが引退したら俺はもうフリージアには来ない!」
などと言ってくれる人もいた。井上だった。
オーナーとしては店に客が来なくなるのは痛かったが、嬉しかった。
その後、フリージアは毎日満卓。
客足の途絶える事のない店になった。
花恋をはじめ、No、1のレイやNo候補のキャストが情報誌によく出るようになったからだ。
フリージアは姉妹店を出した。花恋はフリージアにあるビルごと買った。
1皆のフリージア、2階のレインポー。そして3階のカレン。
上の階に行くたびにセット料金は高くなる。
しかし、3階のカレンのVIPルームにも毎日客が来る。