ちょっと面白いなと感じることがあったので、頭の中の整理をしたいと思います。
いきなり話が逸れますが、現代のアジア人男性の4割があのモンゴル帝国のチンギス・ハーンの子孫であることが分かっているのだとか!
Y染色体の調査により、1600万人〜3200万人くらいの男系子孫を残したとされるチンギス・ハーン。
やはり猛者であったのですねぇ……。
Y染色体は男性にのみ受け継がれていくのですが、ミトコンドリアDNAは母系でのみ継承されていく遺伝子です。
Y染色体やミトコンドリアDNAを解析して日本人のルーツを探る研究が進んでいます。
縄文人と弥生人は、文化を共有しながら徐々に混血していき、今現在の日本人に至っているということが分かってきました。
日本人のルーツについては、縄文人や弥生人の他にも倭人や港川人などのDNA解析により、これまでさまざまな説が論じられてきたのですが、研究が進んでいつか謎の多い日本人のルーツについて解明される日を楽しみに待ちたいと思います。
それまで生きていることはできないでしょうけれど(笑)。
さて、ここから本題です。
縄文人は、お酒に強く高脂質の食事に適応していました。
現代の日本人は縄文人の遺伝情報を12%程度受け継いでいるといわれています。
それに対して稲作を持ち込んだ弥生人はお酒に弱いのだそうです。
水田は実りをもたらす一方で、さまざまな病原体(マラリアなど)の温床でもあったのですが、お酒に弱い弥生人だからこそ生き延びることができたといわれています。
お酒に弱いということはどういうことかというと――。
飲んだお酒が肝臓で分解される時に、「アセトアルデヒド」という毒性の物質が発生します。
お酒に弱い人は、このアセトアルデヒドを分解する酵素(アセトアルデヒド脱水素酵素)が十分働かずに、アセトアルデヒドの血中濃度が高くなってしまいます。
すると毛細血管が広がり、皮膚が赤くなったり動悸や頭痛、吐き気の症状がでたりします。
アセトアルデヒドの血中濃度が高い状態だと、マラリアや赤痢アメーバといった寄生生物が増殖しづらいのだとか。
お酒には弱いけれど、感染症には強い体質ということなんですね。
あ、あれ?
じゃあ、四六時中お酒を飲んでいなくてはならないのでは……(謎)。
お酒に強い人は北海道、東北、関東、四国南部、九州南部に多く、お酒に弱い人は近畿、中部、中国地方に多いということが分かっています。
面白いです。
私は関東ですが、お酒を飲むと真っ赤になります。では、お酒に弱いのかというとそうでもない気がします。
真っ赤になるのはアセトアルデヒドが分解されていないせいなので、弥生系なのでしょうか。
何杯でも飲めますけれども(*ノωノ)
日本人の遺伝子は、実はもっと複雑で興味深いお話なのですが、今回はお酒にまつわることに焦点を絞って書いたので、思いっ切り省いてしまっています。
現生人類の誕生や移動「出アフリカ」まで遡る壮大なお話です。
考えただけでもわくわくします。