『ポケバイ・きっど』ツナギを着た王様たち!

作者招家猫助

連れて来られた少年・木戸哲也は浩史にも懐かず、家族の愛情を注がれるメグミには敵意を持った態度で攻撃的なレースを仕掛けて来る。
資金潤沢な常勝チームのセカンドライダーだった哲也は、チーム内の暗黙の了解、チーム順位を無視してファーストライダーの国丸真一を抜いてレースに勝ってしまったためチームを追われた…

連れて来られた少年・木戸哲也は浩史にも懐かず、家族の愛情を注がれるメグミには敵意を持った態度で攻撃的なレースを仕掛けて来る。

資金潤沢な常勝チームのセカンドライダーだった哲也は、チーム内の暗黙の了解、チーム順位を無視してファーストライダーの国丸真一を抜いてレースに勝ってしまったためチームを追われたのだった。


以前から哲也の努力を認めていた、常勝チームのメカニックだった坂下誠が「テトラ」に自前の工具と寝袋を携えて移籍してきた。

誠の手際の良さに、将来自分の町工場で働かないかと誘う浩史。

浩史は妻に泣き付くと小遣いを前借りし、坂下誠がプログラミングした設計図から新しいマシンを開発組み立てた、その新車を娘では無く哲也に託した。

練習走行を始める哲也が速いのに脅威を感じた真一は、仲間を使って執拗に邪魔と挑発を繰り返す。

その挑発に乗ってしまった哲也は自らのミスで大切な新車を壊してしまった…

大切なマシンより哲也の体を心配する仲間。翌日のレースのため哲也には休息を取らせて、徹夜でマシンの修理をする浩史と隼人そして健司。しかし、元ライダーだった浩史と健司が手伝ったとしても、何とか走らせる事が出来る状態に戻せただけだった。


予選にも参加出来ず、練習走行すら出来ない状態だが、ピットスタートなら参加がOKされた。隼人が運営委員に必死に頼み込んだのだ。


レースはスタートされた。

ピットからのスタートの哲也は最後尾から次々と順位を上げる。

トップを争う真一とメグミの背中が見えて来た。

メグミの邪魔をする真一のチームのセカンドライダー。その間に割って入る哲也のマシン。メグミを先行させて真一を負わせると、執拗に邪魔をして来るライダーと抜きつ抜かれつバトルを繰り返し、遂に戦いに結着をつけると、先行するメグミと真一を追う。

メグミのマシンの後ろにピタリくっ付き、メグミを風除けに利用、エンジンのパワーを温存するスリップストリームを使って真一に追いついた。

観客席では、健司と浩史が並んで声を限りに応援している。

二台のマシンがピタリと横一線に並んでチェッカーフラッグを目指す。

勝つのはどっちだ!