悠久なる君へ~3300年の記憶~Ⅲ【完】

作者雛子

悠久なる君へ第3巻。紀元前1300年古代エジプト第18王朝へのタイムスリップ物語。

 


 


3300年。


そんな悠久の時を越え、


俺が愛した君は、あの男を愛した。


 


すべてを捨て、


太陽の煌めきに満ちるこの国で死ぬことを選んだ。


絡みつく過ちの歌が、俺の胸を絞めつける。


 


どんなに叫んでも。


どんなに愛してるとこの喉を切り裂いても。


もう、届くことはないのだろう。


 


最後の雫が砂漠に落ち、それが俺に教えてくれる。


決して、戻れはしないのだと。