魔法の5分間<2> 結果発表

受賞作は動画化! 魔法の5分間2

短編小説コンテスト
結果発表
5分後に甘くて
苦いエンディング部門
歪んで偏った愛が
味わえる5分間
すこし不思議な5分間

前回とは異なる3部門で作品を募集した「魔法の5分間<2>」短編小説コンテスト。
おかげさまでたくさんのご応募をいただき、5分を巧みにテーマに組み込んだり、作品を読む5分の時間を意識して起承転結を書き切ったりと、あわせて436作品もの素敵な作品が集まりました。
皆さま誠にありがとうございました。

いよいよ結果発表です!
受賞作を元に制作させていただいたオリジナル動画、そして惜しくも受賞にはいたりませんでしたが、編集部が気になった作品をピックアップした「魔法の5分間<2>」作品集も、受賞作とあわせてお楽しみください。

優秀賞

作品内容の一部をオリジナル動画化
Amazonギフト券(Eメールタイプ)1万円分

5分後に甘くて苦いエンディング部門

from my heart

白椛宵

選評

5分後の未来が視える超能力。なぜか片思い中の相手から、そんな極秘情報を自分にだけ暴露された、紗千。高校時代は、自分の恋する気持ちでいっぱいで相手の事なんて考えることもできなかった紗千が、大人になり特殊能力を持つ彼の本当の気持ちを考えはじめ、そして衝撃のラストへと繋がる展開に感嘆しました。
読後にもう一度、表紙ページに戻り飾ってある画像の言葉を読むと、ジーンと胸に沁みてきます。じっくり味わいたい物語です。

歪んで偏った愛が味わえる5分間

レジ袋は要らないので、きみの爪をください。

魚澄にい菜

選評

秀逸なタイトルと独創的なテーマが、今回設定させていただいた「歪んで偏った愛が味わえる5分間」の中でもひときわ異彩を放っていた作品です。
頭の中でお互いに対して抱く想いや妄想、駆け引きめいた行動の顛末など、コンビニでの何気ないやりとりからこんなにも艶っぽさを感じたことはかつてありません。また、巧みな情景描写と「癖」をくすぐるセリフの数々は、登場人物たちの存在をリアルに感じさせてくれました。
2人のその後を覗き見たいような、覗いたら戻ることが容易ではない立ち入り禁止区域のような、妖しくて魅力的な作品の雰囲気を是非味わってください。

すこし不思議な5分間

彼の頭の上の顔文字

中村ゆい

選評

“他人の感情が、その人の頭上にぽやんと顔文字の形で浮かび上がって見える”そんな不思議な能力を持ち合わせている女子大生・絵麻の初恋ストーリー。
相手の顔文字ばかりを気にしていた彼女が、恋をキッカケに決して覗くことのできない彼の本当の気持ちと正面から向き合う勇気を持つまでの成長が、短いストーリーの中で丁寧に描かれていました。
絵麻の一生懸命で素直な心情と顔文字のコミカルさが相まって、終始ほのぼのとしたかわいらしい世界観に癒されました!

佳作

Amazonギフト券(Eメールタイプ) 3千円分

  • 5分後に甘くて苦いエンディング

    恋だった。【完】

    雛 ヒナ子

    選評

    それぞれが抱える漠然とした不安と、その不安を無意識に共有し、埋めるように寄り添う2人の関係が、美しくもとてもリアルに描かれていました。
    言葉足らずで曖昧なまま、自然消滅的に終わってしまった2人が時を経て再会し、""あの時""の想いを過去形で伝えあう姿は、共有した時間と想いが確かに存在したことを刻み付けると同時に、この先、2人の人生が決して交わることはないと予見しているようで。
    彼女が最後にほろりとこぼした一言に、ままならない恋、そして人生の甘さと苦みを感じずにはいられませんでした。

  • 5分後に甘くて苦いエンディング

    朝に灯る

    夏目知佳

    選評

    半年前に別れた恋人のことが心の澱となっている主人公・香の元へ、ある日突然一回り年の離れた従姉妹が訪ねてくるところから物語は始まります。14才の彼女・のぞみの訪問を最初は煩わしく思っていた香でしたが、2人で過ごす時間は穏やかででも騒々しくて、時折現れる元カレの輪郭は次第にぼんやりと霞んでいき……。
    オトナと子供。どの立場でもそれぞれの理不尽や不自由がついて回るけれど、人を好きになることは平等で、相手がいる以上どのような結末でも受け入れることしかできません。のぞみの葛藤に触れて、自身の終わった恋と向き合うことができた香が紡ぐ最後の言葉が、強く印象に残った作品でした。

  • 歪んで偏った愛が味わえる5分間

    それは僕らが
    満たされるまで【完】

    壱原 棗

    選評

    不変で、完成された美しさを求める僕と、どこか不完全で刹那的な美を求める君。溢れ、零れ落ちていく美への喪失感に苦しむ僕と、なかなか満たされない美に飢えている君。背反し、矛盾しているような2人が互いに溺れていく様は、倒錯的で混沌としていて、それでいて読者をひきつけて離さない魅力がありました。
    名前もなく、君と僕だけが登場する世界には、美を追い求めてやまない人間の本質が映し出されているようでした。

5分後に甘くて
苦いエンディング

歪んで偏った愛が
味わえる5分間

すこし不思議な5分間

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