『笑ってくれトシ。
…俺は鬼にはなりきれんよ』
少女を拾った男は、
そう言いながらも嬉しそうだった。
『俺からすりゃあ近藤さん。
あんたが一番の鬼だぜ』
あのガキをここに置く事を決めたのは
あんただ。
いつか離れるときが来る、
いつまでも一緒には居られない。
それでもあいつに愛情を教えてしまったのは近藤さんだ。
それを選んだのはあんただ。
───そんなの立派な鬼だろう、
近藤さん。
彼等と交わした約束はいつだって
やさしくて、あたたかくて
『───…幸せになれ。』
行くな、ここにいろ。俺の傍にいろ
言葉を飲み込むのは俺の方だった───…
哀しいほどに、綺麗だった。
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※作品はいずれもフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※歴史に忠実ではありません。
年月、方言等に差異があります。
予めご了承くださいませ。
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