作品コメント
ログインすると作品コメントが投稿できます
- まっく
傑作ファンタジー
一人きりになってしまったパルティーダが旅に出て、個性的な魔物との出会いを通じ、心を成長させていくファンタジー。
まず、情景がくっきりと浮かぶだけでなく、音や匂いまで感じとれる文章力は秀逸。重厚かつ軽妙な筆致は、読みごたえと読みやすさを両立しています。
構成もまた素晴らしく、章タイトルの音楽とその物語が密接に関係しており、一つ一つのテーマをきっちり書き切りながら、まさに組曲のようにラストまで繋がっていきます。
終焉を迎えつつある世界と成長していく少女のコントラストは、切ないながらも、暖かい気持ちにさせられました。
読み手としてだけでなく、書き手としても勉強させられる作品でした。
おすすめです! - みち
世界の終焉
ファンタジーです。
魔物が出てくるファンタジーです。
冒険の物語です。
けれど、魔物たちもただ襲ってくる
わけではなく、背負っていたものが
ありました。
心を開きら解放したら、仲間に、友
達になってくれました。
共に戦い、旅をしてくれました。
それを成しえたのは、世界でただ一
人となってしまった女の子でした。
心を動かすのは、心だと。
心配すること、そして想うこと。
心配されること、想われること。
旅のなかで人間らしく、成長してい
きます。
一人ではできない成長です。
彼女は、世界で最後の一人だけど、
きっとはじめから一人ではなかっ
た。
ラストのお話は、おばあちゃんを想
うと切ないけれど…
パルティーダのお話はまだ、続いて
いくのだと。
勇気をもらえる、爽やかなラストで
した。 - 蓮水詩織
こえは届く
一人きりになってしまって旅に出る少女。
リラだけをお供に、人を捜して旅立つ少女。
その途中で魔物に会い、奏でる音楽で鎮めます。
出会う魔物の人間だった頃を見て、心を動かして行く。
そして共に旅する仲間となる。
最初は一人だった彼女の周りに仲間が増えて行く度、嬉しくなりました。
そしてそれぞれの過去に涙が出ました。
私は特にスプーキーのお話に感動しました。
音楽には言葉には力がある。
こえはきっと届く。
そう思いました。
素敵な作品です! - 弥生
言葉で表すのが難しいかも。
人間と魔物が旅をする。
それだけを聞くと、どこぞのファンタジーノベルを思い浮かべそうではあるが、決して本作はそういう領域を越えているような気もする。
なんだろう。
全くうまくは言えないけれど、死と言う符号の中で感じる軽さと重さ、空間(空気ではなく)を読むというか、世界の造り方が、やはりと言うか、さすがというべきか。
世界の終わりを旅する…と言う事でありますが、人の終わり、個人の終わり、命の終わり、そんな事も感じてしまう……
じわじわと「感じる」文章の世界を体験して頂きたい作品。
しかしながら、一番最初の「バカヤローッ!」に、正直、心底驚きました。
思わず前後確認してしまいました(笑) - 理輝
最高のストーリー
えらく評判がいい本作品。
どんなもんかと読んでみると、たちまち読むのをやめれなくなりました。
ケータイ小説を読んでこれほどまでの感銘を受けたのは初めてです。
世界でただ一人生き残った少女が、魔物と共に旅をしていく話。
……いや、この物語りが凄いのは設定じゃない。
魔物が魔物になる前の人間模様。
人間のエゴや醜さ。
そして優しさ。
それが深く描かれていて、時に悲しく、時に優しい気持ちになりました。
プロが書いたんじゃないかとおっしゃられる方がいますが、頷けます。
これほどまでの名作、なかなか出会えるものじゃないです。 - 遠野ましろ
プロを超える珠玉のファンタジー
まさーきさんを知ったのは、交流網経由。
毎度レスが心憎いし、この人絶対アヤしいと目ぇつけてました。(←怖い)
なんか女性陣が「まさーきさん」呼ばはる時、甘い響き入りますもん、それと敬意。
【親しみやすく尊敬されてる人】
レビュアーとしても凄い方。
鮮烈だったのはとあるレビュー、
「読者は神様であり、喧嘩を売る相手ではありません」
↑心酔。
評判の本作。楽しみ過ぎて読むの待って焦らし本日やーっと。
感想。
一頁で分かった。
才能じゃない、努力の結晶。
読んでいるうちに泣けてくる。
あまりの上手さに泣けてくる。
二頁で涙腺崩落、進めない。
自分に凄まじく厳しいのだと思う。
読書量半端無く、プロ作品を鋭く明察、他方アマの長所を優しく光らせ。
こんな人、見たことない。
羨ましいと思う自体憚られる、何故なら努力に到底及ばない。
怠ってきた己の人生を後悔中。
何故この人が素人なのか、理解に苦しむ。
ヘタなラノベをとっくに凌駕。
続編で内容触れるレビュー書くことを誓います。
それとレビュータイトル。真似しんぼスミマセン。 - まぐろ
音楽に国境も人種も人間も魔物もない
まさに、王道ファンタジー。と思いきや……主人公は魔物を音楽で成仏させるという斬新な設定。
それぞれの魔物に、それぞれの思いがある。過去がある。
それを、情緒的で丁寧な表現で書き上げてる。
個人的にメデューサの話が好き。最初は、聖母様みたいな人で、何があっても前向き思考だと思ってた。違った。あの人間くささ好き。そして、感動のクライマックス。泣きそうになった。
章間のショートコントも好き。固めのお話にうまいアクセントをつけた - ながさき
喜怒哀楽のファンタジー
世界の終わりと聞くと暗いイメージですが、暖かいファンタジーです。
読んでいると自分も一緒に旅をしているようで、喜怒哀楽、全て感情が湧きました。
読後感は爽やかで、読んで良かったと心から思えます。
作品を通して感じる勇気や優しさや明るさは、筆者様のお人柄そのものだと感じました。 - 原田笙子
旅は続く
最初の数ページは「ん?もしかしてなんか重くて暗くて難しい話なの??」と思ってしまうような内容ですが、大丈夫です。
パルちゃんが1人ぼっちなのははじまりだけ。
冒険譚の醍醐味は、やっぱり八犬伝のように仲間が集まっていく過程。
旅を続けるパルちゃんにも、それぞれの事情を抱えた楽しい仲間が集まってきます。
パルちゃんが思ってたのとはちょっと違うかもしれないど、そんな仲間たちと一緒に、これからも旅は続きそうですね。
最後のオチ(?)には普通にびっくりして、胸が熱くなってしまいました。 - 亜希
オペラのようなファンタジー
流浪の旅
出会いと別れ
それぞれが抱える過去
そして音楽
様々な要素を見事に調和させた、壮大で暖かいファンタジーでした。
主人公パルティーダが抱える孤独
魔物と化した人たちの哀しみ…
繊細な心理描写にどんどん引き込まれました。
そして、とうとう念願だった自分と同じ人間たちと出会えたと思ったら…
ラストに明かされる真実
素晴らしいオペラを観た、そんな読後感の作品です。
おすすめです! - 芙佳
切なく優しいファンタジー
数々の称賛レビューが全てを語っていますが、あえて拙い感想を入れさせて頂きます。
まず文章が素晴らしく上手い。文学的で、それでいて堅苦しくないので読みやすいです。
そして主人公が好きです。世界の終わりを旅する少女…ん少年?中性的な魅力は透明感があり、正義感溢れ、時に弱く、とても強く。
魔物の過去のエピソードはとても切なく、現在の魔物との交流は温かく、
優しさと切なさが溢れるお話。会話の掛け合いが楽しいので、重さを感じさせないところも上手だと思います。
是非ご一読を。
続編期待しています。 - 眠空
渾身のピチカート
表現力・構成力にも優れ、音楽への造詣の深さも感じさせるとても完成度の高い作品だと思いました。
しっかりした文章なのに気取った印象や堅苦しさがないので、馴染み易く浸透していきます。
それぞれ楽章になぞらえた章タイトルがありますが、そのテーマはどれも内容に忠実で、まさに情感溢れる音楽劇を想起させます。
特に感動した章は“威風堂々”で、子どもたちが走りだすシーンは堂々たる行進曲さながらでした。
魔物の心を救おうと弦を爪弾く主人公・パルティーダの渾身のピチカートは強く胸を打ち、クライマックスの魅せ方も秀逸でとても惹き付けられました。
壮大なクライマックスのわりにふわっと終わってしまった印象でしたが、それでも未来に希望が持てる、読後感の良いラストだったと思います。
煌びやかな情景と心の暖かさが丹念に描かれた、ファンタジーの秀作です。 - 月森ゆら
優しく暖かいファンタジー
映画のように情景の浮かぶ物語でした。
世界中でたった独りとなってしまった(かもしれない?)主人公と、旅先で出会う魔物達。
魔物は心を持ち、姿を変える前は人間だった。
その時代、そのエピソードが非常に興味深いものでした。
主人公と魔物(と呼ぶには可愛いアンシー)達との会話もコミカルで笑いを誘い最後まで飽きる事なく引き込まれていました。
ファンタジーは読み馴れていないので、どう評するのが正しいのか分かりませんが、読みやすく、解りやすく面白い作品を読ませていただきました。
特にアンシーのエピソードと、ラストへと向かう酒場でのシーンがとても印象的でした。
おすすめです☆ - 星崎すず
直向きに愛を奏でる
素人離れした非常に高い文章力と描写力、綿密な設定、構成力。
物語も濃厚で抑揚があり、独創的です。
美しい音楽が流れて来るような幻想世界です。
孤独だったパルティーダに勇気を与えられた者達が前進する姿には、思わず感涙します。
また、無邪気なパルティーダやアンジーの言動に和む場面もあり、読み手を飽きさせません。
温かく優しく、そして力強い愛を描いた壮大な物語です。
タイトルも秀逸です。 - 麻井深雪
鎮魂歌
世界で一人の生き残りかもしれない少女が、他に生きている人間を探す旅を続ける物語。
最初は孤独な物語だと思っていたので、アンシーが仲間になったことは嬉しい驚きでした。
シリアスな魔物達の生前エピソードに対し、魔物達とのコミカルなやり取りが重くなりがちな空気を緩和し、楽しい気持ちにさせてくれます。
文章力、情景描写は文句なしに秀逸で、魔物の生前エピソードへの切り替わりの自然さや、戦闘シーンでの臨場感は本当に見事でした。
まるで文庫本を読んでいるような読みごたえと満足感を得られます。
スプーキーのエピソードでは特に泣かされました。
動けないはずの子ども達が次々に立ち上がったシーンではもう号泣でした。
ラストのどんでん返しもすごく良かったです。
感動の嵐でした。
章が音楽の題名になっていて、その曲で魔物を鎮めるという設定もよく練られていて素敵です。
個人的にはオリベの「生まれるれる時は周りが笑って自分は泣いていたのだから、死ぬ時は周りが泣いて自分は笑うべきだ」という台詞に深く感銘を受けました。
本格的ファンタジーを読みたい方におすすめです。 - 藤林 來未花
切なくも暖かいお話
ひとりぼっちになってしまった人間の
パルティーダの繊細な心と健気な気持ち。
そして…
出逢っていく魔物達の人間であった頃の切ない過去は
読んでいて胸が締め付けられました。
彼女の演奏で救われる魔物達。
そして…また彼女の孤独な心も魔物達によって救われる姿はとても感動しました。
タイトルやストーリー展開などにこだわりが凄く感じる作品です★ - 日下奈緒
興味深い冒険
自分と同じ人間を探して旅にでる
そんな冒頭にひかれました
途中で出てくるお姫様や魔女のお話
さすが世界の果てって感じがしました
知らずに世界を旅しているような気がしましたよ
現実を忘れたい時におすすめです - 純子
暖かいお話
童話のように心が暖まるお話でした。
過酷な状況に取り残された主人公と魔物達との出会い。
ただ戦うだけでなく絆を育んでいけるやり取りは微笑ましくもあります。
いつか人間に出会えることを願います。 - アイリス(yuki)
心優しい本
恐ろしい姿に変化してしまった魔物達、でもそれぞれに悲しい過去を背負っていて・・・
最後のページ近くを読んでいるのにも気が付かないくらいに没頭してしまい、突然ジーンと込み上げてきたシーンは。
どんなに会いたかったか分からない大切な人、赤い本の中で旅するパルティーダをずっと見守ってくれていた人との再会。
読んでいて、涙が何度もなんども落ちました。
地上で最後の一人として残った主人公。
リラを奏でると魔物を昇天させる事も出来る不思議な力を持つパルティーダが、いつかきっと夢が叶って、温かい手のぬくもりに巡り合う事が出来ますようにと祈りつつ、本を閉じたゆきです。
心優しい本を是非皆さまにお読み頂きたいと思います。 - SHI~NA
出会いと優しさ
家族が先立って世界で唯一の生き残りとなった少女が生まれ育った故郷を旅立ち様々な出会いを経て成長していく物語。
どこかに自分以外の人間がまだ生きているのでは
それだけが彼女を突き動かすが、旅先で出会うのは悲しい過去を持つ魔物達。
そんな魔物達が人間だった時の記憶をベースに語られるストーリーはとても深く、しかし読みやすく引き込まれます。
とても勇ましく優しい少女の奏でる音楽が沁み渡る、大人も子供も楽しめる素敵なファンタジーです!