魔法のiらんど小説&コミック大賞 | 小説大賞 コミックシナリオ大賞 | 受賞作品発表

魔法のiらんど 小説&コミック大賞 受賞作品発表

応募総数1,930作品。
栄冠を手にしたのは――。

(2021年2月26日発表)
最終ノミネート作品の選考は、以下の編集部にて行いました。

<小説大賞>
角川文庫編集部/メディアワークス文庫編集部/ビーズログ文庫編集部/角川ビーンズ文庫編集部/カドカワBOOKS編集部/
富士見L文庫編集部/カドカワ読書タイム編集部/ホビー書籍編集部

<コミックシナリオ大賞>
FLOS COMIC/コミックビーズログ編集部/少年エース編集部/ヤングエース編集部/ジーン編集部/COMIC BRIDGE編集部/
コミックエッセイ劇場/シルフ/comic it/ボーンデジタル編集部/戦略書籍編集部/魔法のiらんど編集部

小説大賞

応募総数 1,210作品

大賞

賞金100万円
KADOKAWAより書籍化予定

選評 なにより魅力的なのは、キャラクターです。主人公の獏はミステリアスな和装のイケメン店主。冷たく意地悪な言動の多い彼ですが、彼の気遣いや想いが細かな仕草からも伝わってくるので、思わず心が暖かくなりました。人を小馬鹿にするようなセリフが目立つ獏を不思議と最初から嫌いになれないのは、その内に秘められた優しさが仄かに香ってくるからだと思います。
ヒロインの結は不思議な力を持った女子大生。守ってあげたくなるような可愛らしさを持ちつつも芯のある女性で、その繊細さとたくましさのバランスが非常に心地よく感じました。なにより、そんな二人の会話はどこか痴話喧嘩のようで、読んでいてとても微笑ましかったです。また、夢の情景に関する表現力が非常に豊かで、特に夢の世界が視覚的に伝わってくるところに舌を巻く思いでした。ひょんなことから邂逅した二人が、夢にまつわる事件を解決していく「夢見堂」。思わず彼らのお店に立ち寄りたくなってしまう、そんな気持ちにさせる物語です。

(メディアワークス文庫)

青春小説部門賞

賞金10万円
KADOKAWAより書籍化検討

選評 図書室の本を通して、手紙をやり取りする行動に、きちんと物理的に説明がなされているところが、とてもよかったです。主人公・美月のコンプレックスや友人関係など、誰もが抱えている悩みを、素直な文章で書かれていて、好感が持てました。
ただ、後半部分が、著者の都合に合わせて展開されているのが気になります。特に、杉浦が自分の家庭の事情などを話すシーンが、不自然に見えないよう、エピソードなどを追加して、クライマックスを盛り上げられるようにしてください。

(角川文庫)

キャラクター小説部門賞

賞金10万円
KADOKAWAより書籍化検討

選評 大手不動産会社から左遷されて、子会社で働くことになった主人公・千夏が、前向きに仕事に取り組んで成長していく姿に、元気づけられます。幽霊である元気が、なぜ幽霊になったのかの理由も事件を絡めた形で描かれており、大変楽しめる作品です。テンポのいい展開で、読者を飽きさせない工夫がありました。
ただ、幽霊の設定と、千夏の能力の部分が、ご都合主義に見えるので、この世界観の中できちんと定義して、読者の納得がいくように修正すると、より良くなると思います。

(角川文庫)

ファンタジー・歴史小説部門賞

賞金10万円
KADOKAWAより書籍化検討

選評 あやかしが見える特異体質の庶民の少女と、あやかしを処罰する使命を負った皇子。2人の契約結婚から始まる中華風ファンタジー。複雑な世界観をライトな文体で描ききり、読み手を引き込む高い筆力が感じられた。あやかしを守りたい主人公が自身の持つ能力で、あやかしと皇子の仲を取り持ち、皇子をとりまく陰謀をともに解決する流れも明快かつ面白い。物語の構成をうまくまとめながらも、主人公をはじめとするキャラクターたちに愛嬌があり、活き活きとしている点も評価したい。
しかし全体の完成度が高い分、主人公の知らないところで裏事情が語られる場面が多く、黒幕発覚までの流れがややあっさりした印象になってしまっている。物語後半に繋がる伏線を意識するとより深みが出て、読後感が増すように思う。また、あやかしとのやりとりに前半の比重が置かれていた分、ややヒーローの存在感が薄れてしまっていたように感じた。「契約妃」から始まる2人の物語としては物足りなさを感じてしまうため、物語全体で互いの関係性を深める意識をしてみてほしい。

(角川ビーンズ文庫)

小説特別賞

賞金1万円
KADOKAWAより書籍化検討

※刊行に至る可能性が高い作品を数多くご応募いただきましたので新たに設置致しました。
特別賞受賞の方には、KADOKAWAからの書籍化を念頭に担当編集者が付きます。

青春小説部門 特別賞

キャラクター小説部門 特別賞

ファンタジー・歴史小説部門 特別賞

コミックシナリオ大賞

応募総数 720作品

大賞

賞金100万円
KADOKAWAよりコミカライズ予定

選評 「コミックシナリオ大賞」ということで練り込まれた設定の力作が数多く集まるなか、この「前世馬なだけですが、何か勘違いしてますか?」に関しては「王子の愛馬が人間に生まれ変わってもう一度生き別れた主人に会いに行く」という物語がシンプルに表現されていて、そこが心に刺さりました。 「自身が馬だから、馬の気持ちがわかり馬の扱いに長ける」「王城の厩番として働く中で、王子や周囲の人間と心を通わせていく」など、主人公が「馬」であることを生かしたキャラクターの特徴設定、関係性が構築できています。シナリオ展開には昨今隆盛を極めているWeb小説のエッセンスも感じ取れ、作者のセンスのよさが光りました。
今後、この物語を膨らませていくうえで注目したいポイントは、ルカニアとラディウスが持つお互いへの感情が恋愛関係に発展するのかどうかです。主人と再会するという願いを成し遂げたあと、ルカニアはどうするのか? 元々の種族の違い、転生後の身分差を乗り越えてのシンデレラ・ストーリーになるのか? 健気なルカニアに幸せが訪れることを願いつつ、この物語がどのような結末を迎えるかとても期待しています。

(FLOS COMIC)

ファンタジー・歴史部門賞

賞金10万円
KADOKAWAよりコミカライズ検討

選評 猫になってしまった主人公の聖女シンシアと、強面だが猫にはデレデレな雷帝イザークというキャラ設定が非常にコミカライズ向きで、選考委員から高い評価を集めたシナリオでした。イザークはシンシアのことが大好きなため行方を捜索しているが、当のシンシアは見つかれば職務放棄で処刑されると思っている……という、勘違いによるすれ違い展開のわかりやすさも良かったポイントです。さらにコメディ描写とテンポの良さも高評価で、すれ違い系ラブコメを楽しく表現できていたと思います。
一方で、人間に戻りたくとも戻れないシンシア(ユフェ)の状況はありつつも、人間の姿のシンシアが活躍するイベントがところどころに無いと画的に物足りない、という意見もありました。また今後、シンシア(ユフェ)が人間に戻ろうと努力したりイザークが正体に迫ったりする展開があるかと思いますが、その過程で起こる事件をもう少し練っていき、物語にハラハラドキドキするような動きとオリジナリティを出していきたいところです。

(FLOS COMIC)

セクシーLOVE部門賞

賞金10万円
KADOKAWAよりコミカライズ検討

選評 まずなんといっても貞操観念鉄壁社長×TL小説家兼会社員というカップリングが秀逸でした。読者の性癖に突き刺さりつつも等身大なキャラクター設定で、共感しやすいと思います。タイトル付けも上手で、ひと目でどんなスト―リー展開かわかるのが良いと思います。
最初のシーンで、登場人物の関係性やテーマをスマートかつインパクト大に表現できているのも漫画で表現しやすく好印象です。第三者同士の性描写を入れることで、対比として主人公たちの貞操観念も引き立つのがテクニカルだと思います。
今後の展開では、オフィスシーンや仕事においてのリアリティにも気を配っていただけるとさらに良いかと思います。ヒロインの小説家としての努力や、会社員としての仕事への熱意や苦悩などを描くことで、同じく働く女性読者からの共感度がアップし、社長との関係の変遷に、より一層ドキドキが増すと思います。すでに設定は整っているので、今後はどのようにストーリーの起伏を作るか、どうやってメインのふたりの関係性の変化や感情、それぞれのバックボーンを見せていくかがカギとなるかと思います。女性読者が読んでドキドキし、共感し、憧れるようなキラキラした物語を期待しています。

(ボーンデジタル編集部/戦略書籍編集部)

実話・エッセイ・人間ドラマ部門賞

賞金10万円
KADOKAWAよりコミカライズ検討

選評 セックスに嫌悪感を持つ主人公が3人の友人の悩みを聞いていくなかで、その性に対する価値観の違いに戸惑いながらも自身の生き方を模索していく作品。
セックスに対する4人の女性の価値観の違いをテーマにした本作は、性に関する知識が氾濫する現代社会において読者の興味を強く引き付けるものになっている。各キャラクターも細かく描写されており、主人公の視点と対比することによってそれぞれの違いを際立たせることに成功している。ドキッとするフレーズで締められる各話の引きも絶妙で、それにより続きがすぐに読みたくなる構成力も見事。
難点としては、話が本格的に動くのが2話目以降であるため、1話を読んだ時点ではこの作品の輪郭があまりつかめない部分がある。1話で主要人物を全て登場させてそれぞれの価値観の違いを端的に見せたほうが、作品のテーマをよりわかりやすく読者に伝えられたのではないか。
この手の作品はいかに読者の好奇心を煽り、共感を得られるかが大事になってくる。そのためにも各登場人物のエピソードや心情はリアリティを意識して描いてもらいたい。

(コミックエッセイ劇場)

コミックシナリオ特別賞

賞金1万円
KADOKAWAよりコミカライズ検討

※刊行に至る可能性が高い作品を数多くご応募いただきましたので新たに設置致しました。
特別賞受賞の方には、KADOKAWAからのコミカライズを念頭に担当編集者が付きます。

ファンタジー・歴史部門 特別賞

セクシーLOVE部門 特別賞

実話・エッセイ・人間ドラマ部門 特別賞

第2回
魔法のiらんど
小説&コミック大賞(仮称)
開催決定!!

詳細は今春発表予定!
編集部からのお知らせ公式Twitterで告知しますので、
いましばらくお待ち下さい。